クロムの効果と注意点

クロムの効果と注意点

クロム、という金属を知っていますか。自然界に存在する金属の一つです。

酸化状態によってさまざまな色を示すため、ギリシャ語の「色」を意味する言葉にちなんで、「クロム」という名前が付けられました。ルビーの色が赤いのも、エメラルドの色が緑なのも、このクロムが不純物として入っているためです。
このクロムはヒトの体の中にも存在し、現代病ともいえる『糖尿病』と深く関わっていることが分かっています。ここでは、クロムについて分かりやすくご紹介します。

クロムとは

銀白色の結晶が美しい金属である、クロム。常温常圧で硬く状態は安定しており、耐食性に大変すぐれています。耐食性に優れているということは、腐食しにくい、さびにくいということでもあります。
それらの性質を生かして、鉄のメッキに使用されることで有名です。
自然発生しているクロムは主に三価クロムで無害ですが、それを元に人為的につくられる六価クロムは毒性が高くなります。クロムを扱う工場で中毒症状が出た事例や長期吸入での発がん性が認められています。もちろん、生体内や、食品内に含まれるクロムは三価クロムです。

ヒトの生体におけるクロムの役割

生体内にはクロムがミネラルとして存在しています。その量はごく僅かながら、生体の生理作用に非常に重要な役割を果たしていることが分かっています。クロムは、コレステロール代謝やたんぱく質代謝などさまざまな代謝活動にかかわり、特に糖代謝との関係が重要視されています。
糖代謝とは簡単に言えば、食べ物で入ってきた栄養をエネルギーとして細胞に届けることです。消化吸収された食べ物の栄養分は、ブドウ糖になって血中に入り、体の隅々まで巡ります。これが「血糖値の上昇」です。
インスリンという言葉を聞いたことのある人は多いでしょう。膵臓のランゲルハンス島から分泌されるホルモンで血糖値を下げる働きをすると言われています。ではどのような仕組みで血糖値が下がるのでしょうか。
分かりやすいように説明すると、インスリンはブドウ糖を細胞に入れるカギの役割をします。細胞という部屋のドアには、レセプター(受容体)というカギ穴が付いています。そのカギ穴にインスリンのカギが入る(結合する)と、細胞の部屋が開いて中にブドウ糖を入れることができるのです。血中から細胞にブドウ糖が移れば、当然、血中の糖分は減ります。これが、「インスリンは血糖値を下げる」といわれている現象です。他にも、インスリンは細胞にいきわたらせてもなお余った糖を蓄えるのを促します。このとき、インスリン(カギ)がレセプター(カギ穴)にきちんと入るようにするのが、クロムの働きです。

不足するとどうなる?その理由と上手な摂り方

体内のクロムが足りなくなると、インスリンの働きが悪くなり糖代謝異常が起こり始めます。その他、体重の減少や角膜障害、末梢神経障害、そして血糖値が高いままになってしまう、糖尿病のリスクが高まります。
一日に必要なクロムの量は、成人で30マイクログラムと言われていて、非常に微量です。ふだん通りの食事をすればほとんど不足することはないと言われていますが、食べ物からは吸収されにくいため、意識的に摂ることが大切です。
ミネラルのひとつ、クロムの含有率が多い食品は、ヒジキなどの海藻類、豆類、レバーやエビ、キノコ類などです。穀類にも多いのですが、これは未精製の場合です。精製によって、クロムに限らずほとんどのビタミンやミネラルが失われてしまいます。

おわりに

「これが体に良い」と言われれば、たくさん摂りたくなってしまうものですが、ここにも注意が必要です。なにごとにも適量というものがあります。サプリメントや健康食品もやみくもにあれもこれもと過剰に摂取することは控えて、バランスの良い食事と、運動、質の良い睡眠を心がけましょう。

参考記事

クロム解説 – 「健康食品」の安全性・有効性情報

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